イントゥ・ザ・ウッズみてきた
公開初日に観てきました。
最近ディズニーがどんどん既存のお話を時代に合ったテイストにリメイクしてきて良いですねー。
マレフィセントもよかったし、個人的にはあんまりなアナ雪も王子様に頼ってハッピーエンド☆じゃなくて、受動的なプリンセス像を崩しにかかってきていて新しい風を感じます。(ただあの記録的な大ヒットは解せぬ)
このイントゥ・ザ・ウッズもそんな新しい風をビュンビュン吹かせてる気配が予告の時点でプンプンしていてわくわくしながら見に行きました。
私、赤ずきん、シンデレラ、ラプンツェルの3つのストーリーを軸に展開する話だと思っていたらジャックと豆の木も組み込まれていたらしくて途中までジャックわかりませんでした。誰この子状態。一緒に見た友達もわからなかったけど後で調べたらちゃんと書いてあったらしい。なんだと。
でもジャック役のダニエル・ハトルストーンの歌声よかったです。まだ声変わりしてない少年の声で。
歌声といえば赤ずきん役のリラ・クロフォードの歌声もよかった。映画初出演とは思えないのびのある歌い方で聞いてて気持ちよかったです。ブロードウェイでアニー演じてたんですって。なるほど。
キャッチコピーでは物語の「その後」を描いたとなっていますが、その後というよりは裏話という感じでした。
シンデレラがガラスの靴を残していくシーンとかうわー、いるいるこういう子!って感じ。なんとなくタッチの朝倉南というか、1人の女の子を巡って2人の男の子が勝負する、というテンプレ思い出した。いや、別にシンデレラを取り合ったりとかは全くないのですが。
あれって女の子側としては「どっちも私のこと好きって言ってくれてるけど、2人とも好きで選べなーい」スタンスでいいんですよね?
そうじゃないとなんで勝手に賭けの対象にされてんねんってなりますよね。
その自分じゃ選べないから相手に決めさせるという主体性の無さはやはり万国共通であるのか。
あとあるある!と思ったのが、子どもができない呪いを解くために4つの物を森に探しに行くパン屋の夫婦の会話。
妻が2人のことなんだから2人で探しにいくと主張するのに対して夫は危ないから家で待ってろの一点張り。
これ、一方が無関心のパターンもありますよね。相手に任せっきりってやつ。育児とかに多いんじゃないですか、こういうの。
無事子どもが生まれて妻に抱っこしてって頼まれたのに抱っこしたら泣いちゃって「もう少し成長したら面倒みる」で妻にパスの思いっきりダブルスタンダードで笑いました。
夫の心配をよそに赤ずきんに子守りを頼んで森の中ガンガン進んでいく妻との対比も面白かったです。あー、働く妻に専業主婦になってほしい夫だーと思った。
そんな妻と森の中でチューしちゃうシンデレラの王子のナルシストダメ男っぷりも突き抜けてたなー。
自分のこと拒む女なんていないと思っちゃってるあたり特に。
なかでも一番生々しくて怖いなって思ったのは、巨人がやってきて世界が終わるって時にみんなが誰のせい?私じゃない、元はと言えば、元はと言えば、そうだ全部魔女のせいだ!と責任転嫁の末に魔女に責任を押し付けていくシーンですね。
自分以外の誰かのせいになった瞬間の一致団結力素晴らしい。あー、怖い。ちまたで大流行りの「自己責任」という言葉も誰かをやり玉に上げて叩くための都合の良い言葉にすぎません。だってそうすれば自分は安全だから。みんなに混ざって言っておけば楽だから。本当にこの自己責任という言葉大嫌い。人に押し付ける言葉じゃないもん。
ふう、なんだから重い感じになっちゃいましたけど盛りだくさんで色んな解釈の仕方がある映画なのでぜひ劇場で観てほしいなー。